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日産 ステージア【プレイバック試乗】 / navi

(2010/03/11)

しなやかさとパワー。“高級”ワゴンの洗練された走りを堪能

  • 日産 ステージア 走り|ニューモデル試乗
  • 日産 ステージア インパネ|ニューモデル試乗
コンセプト
高ユーティリティでも走りは犠牲にしない
FMパッケージ/ショートオーバーハング/ロングホイールベースの新プラットフォームをベースに、約5年ぶりに一新された新型ステージア。

開発責任者のコトバを借りれば「初代は背が低くスポーティで、どちらかといえば都会派。対して新型は都会と郊外の“デュアルシーン”に軸足を置き、スタイルはもちろん、走りの性能もワゴンとしての機能もいささかも犠牲にしない」車なのだ。特に活動的な30歳代前半のカップルや、子離れした夫婦などにフォーカスを定めたという。またミニバン風クロスオーバー車型が増える中、あえて走りの期待できるワゴンの本流を意識した車作りに徹したのも特徴。パワーも広さも余裕をもつことで、プレステージ性を高めたLクラスのワゴンである。
室内&荷室空間
広さばかりではなく高級感も満足レベルだ
インパネの工作は“モジュール工法”と呼ばれ、あらかじめパーツが組み込まれたインパネ全体がラインに納入され、ボディとドッキングする形のモノを採用している。隠しようがないので書けば、スカイラインとほぼ共通設計なのだが、表皮や部品同士のアワセなど、より質感が高まった印象だ。ナビ画面(装着車)のポップアップが“手動”式なのは、昔を思い出させるアナログ風味だが、全体のトーンは実にクールだ。また、ステアリングチルトとともにメーターも“可動”するのは、いかにも走りの機能にプライオリティを置いているのが伝わってきてよい。

室内空間は、天地に圧迫感を覚えた先代に比べ、頭上のゆとりをプラス。全体として広々感が増している。シートはRS系のほうが、よりサポート重視の設計だ。L字形のバックドアは、開閉時に後方へのセリ出し量が小さく、狭い場所での扱いに便利。ダンパーのアシスト付きで開閉操作は軽い。ガラスハッチも日常使いに重宝で、ここにはトーションバーを用いて目障りな構造物が見えない配慮までされている。

後席は先代同様、ラゲージ側から遠隔操作が可能で、レバーを引くとアンニュイな速度とムードで後席背もたれがパターンと倒れる。ラゲージ床板にはダンパーが使われており、片手操作でも床板が開けられ高級感も高い。

充実した装備の中でもスペアタイヤのホイール内に専用のウーファーユニットを収めたBOSEサウンドシステムが注目だ。澄んだボーカル、粒立ちのよいピアノの音と、ここ最近のBOSEの中でも出色の音質である。
  • 日産 ステージア フロントシート|ニューモデル試乗
  • 日産 ステージア ラゲージ|ニューモデル試乗
ドライブフィール
自然なゆとりの300RX素直な3R+ノンターボ
走りはグレードとエンジンにより、それぞれ異なる個性が光るが、最もエレガントに思えるのが300RXだ。とにかく3Lノンターボのゆとりが生きており、出足からアクセル開度をそう大きく取らなくとも、十分に力強く、かつスムーズな加速が得られる。5速ATのスッ、スッというリズミカルなシフトアップも気持ちよい。乗り味は重厚なタッチで、よくストロークするサスペンションとともに走りの快適性も高い。静粛性も十分な高さで、プレステージワゴンとしてステージアを乗りこなすにはピッタリのグレードといえそうだ。

20万馬力を受け入れるRS系の足回り
一方で理屈抜きで軽快な身のこなしが伝わってくるのがターボモデルである250t RS FOUR Vだった。印象的なのはパワー感と車とのマッチングの良さで、280ps/ 41.5kg-mを発生する2.5LのVQ25DET型エンジンは、ターボながら滑らかなパワーフィールが魅力だ。そのうえで絶対性能もドライバーの望みどおりに車を走らせるのに十分な余裕があり、かつ決して過剰という感じもしない。またアルミの4輪マルチリンクサスペンションも、挙動変化をしなやかに受け止めてくれ、コーナリング途中のロードホールディング性能も抜群と言える。アルミのボンネット、樹脂製バックドアを用い、燃料タンクを後席下に収めるなど、車の前後を軽量化して、重量物を中心に集めた運動性能に有利なパッケージングの新型ステージアだが、RS系はこの“素性”が、最も素直に表現された走りっぷり……そんな印象を受けた。

最低地上高180mmを感じさせないAR-X
新型ステージアの注目モデルの一台であるのが、このAR-X FOURだ。ボルボ、スバル、アウディなどに同様の先駆車が見られ、要はステーションワゴンとSUVとのクロスオーバーがテーマのモデルだ。乗ってみての印象は“スポーティなアウディ・オールロードクワトロに近く、ボルボ・クロスカントリーのゆったり感も加味された走りっぷりと” いったところか。

オンロードを少しだけ走ったところのインプレッションでは、ステアリングの操舵力がやや軽いことが意識され、この点で手応えが増せばなお可とも言える。だが、最新のこのタイプの車の例に漏れず、走っても180mmの最低地上高は特に感じさせず、ハンドリングに違和感はない。比較的ロールが大きいのは否めないが、電動スーパーハイキャスによる自然なアシストでコーナリング中の不安も少ないと言える。

注目されるのは18インチの大径タイヤ(しかもタイヤはオールシーズン!)であるが、こちらもオンロードの乗り味で洗練されたフィーリングをもっている。ただしごく低速では、ややボディが上下に揺さぶられる印象もあった。

外観上の違いであるホイールアーチと下回りに樹脂プロテクターを装着した“いでたち”は、いかにもこの車のワイルドで冒険心に満ちたポテンシャルを連想させるには十分な、グッドルッキングででもある。室内ではタンカラーの本革シートが標準装着され高級感も十分だ。もちろん2000rpm台から非常に分厚いトルクを発揮してくれる2.5LのV6ターボエンジンは実に頼もしく、余裕のある走りを実現している。
こんな人にオススメ
とにかく印象的な存在感のあるスタイルは、“斬新感”と呼ぶにふさわしい。走りの面でいえば、本文でも触れたとおり250tRS FOUR Vの軽快さが新型ステージアらしく、一番気持ちがいいモデルでもある。
SPECIFICATIONS
グレード 250t RS FOUR V
駆動方式 4WD
トランスミッション 5AT
全長×全幅×全高(mm) 4765 x 1760 x 1510
ホイールベース(mm) 2850
車両重量(kg) 1680
乗車定員 5人
エンジン種類 V6 DOHCターボ
総排気量(cc) 2495
最高出力 206kW(280ps)/6400rpm
最大トルク 407N・m(41.5kg-m)/3200rpm
車両本体価格 316万円
写真:芳賀元昌 文:島崎七生人
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