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トヨタ クラウン (山口宗久)【ニューモデル試乗】 / navi

(2013/11/15)

トヨタ クラウン|ニューモデル試乗

“日本の道専用高級セダン”という明確な開発コンセプトが実現したクラウン流の贅沢は、他にライバルが存在しない。100km/hでクルーズするロイヤルは絶品だ

日本紳士のために仕立てられた車をまとう贅沢

使わない高性能より日常の心地よさを

クラウンを手にいれなければ実現できない贅沢がある。その贅沢とは“日本の道に完全にマッチングされた個人オーナーのためのラグジュアリーな車”という価値を自分のものにすることだ。第14代として登場した58年目の新型クラウンは、その要件を満たす世界で唯一の乗用車である。

ロイヤル、アスリートの2系統で展開されるシリーズは、ロイヤル=柔らか、アスリート=スポーティ、と理解されることが多いようだが、私はそれぞれを“適正”と“狙いハズし”と解釈している。説明しよう。

新型クラウンでは、乗り味のキモとなる操舵装置とサスペンションを、あえて剛性が低くなるように設計されている。操舵装置にある前輪に舵角を与えるタイロッドというアームを、細径化&曲がり形状化して、走行中にハンドルを回したときの路面からの影響を受けやすいようにしている。

後輪のマルチリンクサスペンションは、それぞれのアームを“コの字”断面として、アーム自体のたわみで路面からの微細な振動を消化させる機能を持たせている。加えて旋回中の車両の姿勢を決めるために極めて重要なトーコントロールアームまでも、弓形のたわみ構造となっている。

カーブを曲がるときに発生する路面からの反力によるアームのたわみを利用して、スピンしにくい後輪の姿勢を作り出そうという意図によるものだ。

一般的に、操舵機構やサスペンションは、走行中の外力に影響されにくいことを目指して設計される。すなわち操舵系はハンドルを回すというドライバーの操作を寸分違わず路面へ伝え、サスペンションのアーム類はそれぞれが設計どおりの弧を描くことで、想定した走り味を演出する。

そのうえで、乗用車としての品位に影響する振動の遮断や、操縦性の個性を演出するチューニングは、ゴムブッシュやショックアブソーバーを駆使して別口で取り除き、あるいは付加するもの、というのが常識で、その案配が設計者の腕の見せ所なのである。ところがその要となる骨格を“適切に”骨抜きにしたと明言した新型クラウン。当然その乗り味は、グニャリと芯のないものになるはず、なのだが、実際に運転してみると市街地や急カーブの多い首都高でも、そのような感触は薄く、それどころか得も言われぬ心地よいリズムを感じながらのドライブを味わうことができる。

なぜか。これこそ日本の道専用設計の神髄であり、クラウンの真骨頂なのである。

本邦において法外と思えるような速度域でシゴいてどうだ、なんてことを議論しても意味ないじゃないか、と堂々と示している数少ない乗用車であり、グローバル戦略車として設計されることが常となった高級セダンの世界では、この思想を貫き通している唯一の存在なのである。

クラウンの中のクラウンは、“ロイヤル”にあり

クラウンにおいて、グレード選びにはポイントがある。

新しいクラウンの走り味を演出している“適切に剛性を落とした”このサスペンションアームは、ロイヤル、アスリートの種別はもとより、パワーやタイヤサイズの違いにかかわらず、全グレード共通パーツとして設定されている。

当然、日本の道を極めるという標的ど真ん中のモデルとは別表情を見せる仕様が生まれることに、ユーザーは注意しなければならない。

冒頭で申し上げた“クラウンを手に入れなければ実現できない贅沢”こそ、日本でクラウンに乗ることの真骨頂だとすれば、私はロイヤルサルーンのハイブリッドに、標準の215/55-17サイズのタイヤ&ホイールを組み合わせたモデルを推す。

例えば3.5リットルエンジンを搭載したアスリートを選ぶのであれば、ドイツ製の競合車がたくさん浮かび、彼の国の車は日本では法定外になる高速度領域にスウィートスポットを求める設計がされていることを思えば、クラウンには相当に分が悪い。

それでもハイパフォーマンスモデルをクラウンで、というリクエストに応えることもクラウン流のおもてなし、という解釈なのだと開発陣の心をくめば、アスリートは承知のうえの“狙いハズし”と理解できるのだ。

サスペンションアームは剛性が命、としていたこれまでの発想を覆し、口型断面からコ型断面のアーム類にすることであえて剛性を落とした

サスペンションアームは剛性が命、としていたこれまでの発想を覆し、口型断面からコ型断面のアーム類にすることであえて剛性を落とした

例えば日本人の標準的な身長であれば、ドアを開けて斜めに腰をかがめるとその高さに座面がある、という類の日本専用仕様が随所に見られる

例えば日本人の標準的な身長であれば、ドアを開けて斜めに腰をかがめるとその高さに座面がある、という類の日本専用仕様が随所に見られる

このゲート式ATは、マニュアルモード時の操作とD-Nの操作が隣接しており誤操作につながりやすい。クラウン的には惜しい要素だ

このゲート式ATは、マニュアルモード時の操作とD-Nの操作が隣接しており誤操作につながりやすい。クラウン的には惜しい要素だ

SPECIFICATIONS
グレードロイヤルロイヤルサルーンG(ハイブリッド)アスリート(ハイブリッド)アスリートG
駆動方式FR
トランスミッション6ATCVT8AT
全長×全幅×全高(mm)4895×1800×14604895×1800×1450
ホイールベース(mm)2850
車両重量(kg)1540168016401650
乗車定員(人)5
エンジン種類V6DOHC直4DOHC+モーターV6DOHC
総排気量(cc)249924933456
最高出力[kW(ps)rpm]149(203)/6400131(178)/6000+105(143)232(315)/6400
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]243(24.8)/4800221(22.5)/4200-4800+300(30.6)377(38.4)/4800
JC08モード燃費(km/L)11.423.29.6
ガソリン種類/容量(L)レギュラー/71レギュラー/65プレミアム/71
車両本体価格(万円)353.0536.0410.0575.0
Tester/山口宗久  Photo/ 山口宗久、編集部
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