新車のことならカーセンサーラボnavi最新クルマニュースニュース一覧マツダ アテンザ セダン (山口宗久)【ニューモデル試乗】 / navi

クルマニュース

マツダ アテンザ セダン (山口宗久)【ニューモデル試乗】 / navi

(2013/12/26)

マツダ アテンザ セダン (山口宗久)| ニューモデル試乗

美しいボディデザインが目を引くアテンザ。けれどもこの車の魅力は、実は外観だけでない。現代の質実剛健の最右翼をゆくメカニズムに、この車の本質がある

美しい外観に秘められた魅惑の腰つき

合理的なメカニズムを手に入れる快感

2011年に東京モーターショーで披露されたコンセプトカー「雄(たけり)」ほぼそのままに市販化された魅惑的なデザインが、3代目となる新型アテンザのもっともわかりやすいハイライトである。「雄」という文字に似つかわしない淑女を感じさせる面立ちは、けれども内包されたメカニズムへの真摯なこだわりを知ると、この車の本質が外見ではなく、むしろ走り味や機能にあると断言できる。

例えば水は高所から低いところへ向かって落ち、風呂の水を桶ですくうと底に残りが出てしまう。技術レベルが進んだ現在でも、自動車の開発は前者のような真理に従い、後者に例えられるような問題を解決するための道理を探るということを進化の基軸としている。

マツダが総力を注ぐSKYACTIVは、自動車づくりの主要技術において、取り残されてきた問題をいまいちど徹底的に洗い出し、常識に囚われない発想で真理を駆使して問題を解決、新時代の規範となろうとするものだ。2L、2.5Lのガソリン、2.2Lディーゼルターボの3種類のエンジンがラインナップされたアテンザは、2012年2月に発表されたSUVのCX-5に次いで、車両を構成するすべてのコンポーネンツにSKYACTIVの成果を盛り込んだモデルとなる。

セダンとしては初めて全身にSKYACTIVを纏ったアテンザの運転席に座る興奮は、極端に理詰めな方策によって完成されたマシンの中に身を置く高ぶりである。インターネットなどでも公開されている種々のエンジニアリングにおける工夫は、技術レベルの習熟度が高いオーナーであればあるほど、感嘆のため息と期待を呼び起こしてくれる。そしてその期待は、アテンザをわずかでも走らせた瞬間に、両の手足の先に確実なフィードバックとして体感することができる。

さらに言うなら、過剰な贅沢装備を持たないアテンザであればこそ、素晴らしく合理的なメカニズムを手に入れたのだという感激を、直接的に味わうことができる。その感覚は、質実剛健の志を全うに貫くことで名車の誉れ高い乗用車を数多く生み出した、1980~90年代初頭のドイツ車のそれにとても似ている。当時、電気仕掛けの応接間のようになってしまった日本車に辟易としていた人にこそ、現代の日本車が目指す1つの方向性に沿ったセダンとして体験してほしい、アテンザなのである。

艶めく腰つきに騙されるな

指先、つま先に、熟考されたメカニズムの心地よさを感じながら、アクセルを踏み、ハンドルを回し、ブレーキを踏むという行為を繰り返しているうちに、もう1つの事実に気づく。マツダはモデル毎に異なる条件、すなわちボディ形状やそれに伴うエンジンや駆動系、着座位置の違いによる制約を超えて、1つのドライビングフィールを確立しようとしている。

“マツダのリズム”ともいえるこのドライビングフィールは、コーナリングにおける適度なロールを否定しない。むしろ、ロールセンターよりも重心が高い位置にあり、カーブの外側に車両が傾くという自動車の宿命を素直に受け入れ、そのロールによる力をサスペンションによってどのようにいなし、ドライバーに体感させるかという方向のチューニングを徹底的に煮詰めている。

ハイグリップなタイヤに依存し、タイヤのある四隅に横方向のつっぱり感を伴いながら限界性能を高めてゆくという、主に近年のドイツ車や日本車が追求している方向性とは、大きく異なる。

カーブを曲がってゆくときドライバーは、適度なロールによって発生する力が、シートの外側に放り出されるような傾きではなく、ハンドル下端と股間の中間あたりを軸として、車両の鼻先を内側へ向けようとするヨー方向の力に見事に変換されていることを感じることができる。

そして、右へ左へと連なるカーブに合わせて、ハンドルとアクセルをピタリと同調させることができたとき、まるでスキーやスノーボードの切り返しのような感覚、内側へ向こうとする前輪と、十分に踏ん張りつつその動きを阻害しないように回り込む後輪の真ん中、すなわち前述したコーナリングの軸に自分が座っていることを実感できる。驚くべき事に、この感覚ははるかに車高が高いCX-5にも共通した感覚、すなわちマツダのリズムとして確立しつつあるというわけだ。

さらに付け加えると、車両全身が演出するこのリズムは、もっとも頻繁に使用する速度域、すなわち60km/h、100km/h、日本ではテストコースのみで試すことができるが欧州では常用の140km/hを中心とした速度域で、まるでギターの弦が音叉の振動とぴったり重なったような見事な同調を示す。

美しい腰つきは外観だけではない。ぜひ、ドライビングして確かめてほしいアテンザなのである。

CX-5に継ぎSKYACTIVテクノロジーを全面採用したアテンザ。例えばディーゼルエンジンの圧縮比を下げるという選択は、明確な性能目標と常識に囚われない発想の賜物

SKYACTIVテクノロジーを全面採用したアテンザ。ディーゼルエンジンの圧縮比を下げるという選択は、明確な性能目標と常識に囚われない発想の賜物

カーブを曲がってゆく車の中心をハンドルのわずか下辺りに感じること。走る曲がる止まるの操作のつながりにリズムを感じること。それがアテンザの本質

カーブを曲がってゆく車の中心をハンドルのわずか下辺りに感じること。走る曲がる止まるの操作のつながりにリズムを感じること。それがアテンザの本質

1936年、マツダは3輪トラックの性能試験を鹿児島の照國神社前からスタート。エンジニアリングの集大成であるアテンザの試乗会もこの地で実施された

1936年、マツダは3輪トラックの性能試験を鹿児島の照國神社前からスタート。エンジニアリングの集大成であるアテンザの試乗会もこの地で実施された

SPECIFICATIONS
グレード20S(セダン)XD(セダン)25S Lパッケージ(ワゴン)XD Lパッケージ(ワゴン)
駆動方式FF
トランスミッション6AT6MT6AT
全長×全幅×全高(mm)4860×1840×14504800×1840×1480
ホイールベース(mm)28302750
車両重量(kg)1430149014701530
乗車定員(人)5
エンジン種類直4DOHC直4DOHC+ターボ直4DOHC直4DOHC+ターボ
総排気量(cc)1997218824882188
最高出力[kW(ps)rpm]114(155)/6000129(175)/4500138(188)/5700129(175)/4500
最大トルク[N・m(kg-m)/rpm]196(20.0)/4000420(42.8)/2000250(25.5)/3250420(42.8)/2000
JC08モード燃費(km/L)17.422.415.620.0
ガソリン種類/容量(L)レギュラー/62軽油/62レギュラー/62軽油/62
車両本体価格(万円)250.0302.6300.0340.0
Tester/山口宗久  Photo/CS Net
クリックでタグの選択
最新ニュース
【試乗】新型 マツダ MAZDA3|新型プラットフォームが素晴らしい! これからどんなふうに進化していくのか楽しみなモデルだ(2019/07/18)
【試乗】新型ボルボ V60 PHEV|ガソリンモデルより乗り心地が向上!さらに大人なワゴンに(2019/07/18)
【試乗】新型 アルファロメオ ジュリア/ステルヴィオ|アルファロメオらしい走りを実現させたスポーツディーゼル(2019/07/04)
【試乗】新型 トヨタ スープラ|3グレード一気乗りで分かったオススメは「SZ-R」(2019/07/04)
【試乗】新型アウディ A6 アバント/セダン|優雅なキャビンと乗り心地はアウディ流のおもてなし(2019/07/01)
ページトップへ戻る

お問合せプライバシーポリシー利用規約サイトマップ

CSLNV027