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BMW i3 (松本英雄)【ニューモデル試乗】 / navi

(2014/04/11)

BMW i3 |ニューモデル試乗

目に見えない日本の優れた技術や部品が注入されたモデル。日本の技術力に着目し、完成した親しみを覚える1台だ

内燃機関にもっとも造詣が深いBMWが送り出すEV

ついついボディの長さを忘れる取り回しの良さ

このモデルに乗れることをどれだけ楽しみにしていたことだろう。BMWはバイエリッシュ・モトーレン・ヴェルケ、すなわちドイツ、バイエルンのエンジン製造会社であり、内燃機関にもっとも造詣が深い会社である。

しかし今回試乗したi3は、EVとレンジ・エクステンダーという発電機付きEVの二つのモデルである。EVの弱点は充電時間とバッテリーの蓄電が無くなると何もすることができないこと。充電の場所が特定してしまうのも普及に待ったをかけている最大の事情である。

これを懸念して発電機付きのEVを様々な自動車メーカーが発表している。BMWi3もその考え方だ。日本では補助金の恩恵もあり、EVモデルと発電機搭載モデルとの価格差も僅かになる。このために精神的にも発電機付きEVの方が良策だとは思うが、まずは試乗してみた。

昨年の東京モーターショーでもカットモデルが展示されていたのでご存知の方も多いと思うが、カーボンコンポジット(CC)又はCFRPとアルミ合金のフレームで構成されている。なので最軽量かと思うところだが、EVモデルで1260kg、レンジ・エクステンダー1390kg。比重のかさむモーターとバッテリーを搭載していると重量の増加が著しいことに気が付く。

しかし単純に言えば重さはスチールに比べて1/4のカーボン繊維を使用して、強度もスチールの10倍ある素材を使ってボディを造っていてもこの重量になることを念頭におくと、EVの源であるバッテリーとモーターの軽量化は大切な課題と言えよう。BMW i3は、量産メーカーとして未来を見据えてのマテリアルにチャレンジしている点も見逃せないのだ。

トヨタ自動車との提携によって、目に見えない日本の優れた技術や部品がBMWのモデルに注入されている。i3はまさに象徴となったモデルと言えるだろう。日本の技術力に注目して技術の相互関係を大切にしている点は親しみを覚える。

ハンドリングの機敏な動きはリアルスポーツカー

初めにEVモデルから試乗する。軽量とはいえドアは程よい重みを持たせてあり、質感もあり違和感は全くない。シートはスポーティな要素を散りばめてBMWらしく硬めに仕上げ、必要以上に身体が揺れない配慮がある。

コックピットのステアリングコラムに取り付けられたのはバイワイヤー方式のセレクターだ。昨今の高級セグメントのモデルはバイワイヤー方式だが、先駆者でもあるBMWであるだけに模して作るようなことはなく、オリジナリティ溢れるデザインと操作方法でユーザーに新しさをアピールしている。

iシリーズのEVモデルはタイヤのサイズが前後同一だ。これは重量によるものだろう。なんとサイズは155/70R19である。直径が大きくなると、とにかくカッコイイ。乗り心地も良くなる。今時扁平率が70パーセントのタイヤというところがノスタルジックな印象もあるが、燃費と性能を両立したランフラットの専用タイヤである。

スイッチを入れてセレクターを捻ってドライブレンジに入れる。クリープ現象はない。少しアクセルに負荷を与えると、安定してゆっくりと走り出す。トルクが安定しているからこそ制御もしやすいというものだ。

車重の一番の要因はバッテリーである。しかし、このバッテリーががメインフレームのキャビンエリアのフロアに敷き詰められているおかげで重心は下げられ、ハンドリングの地を這うかのような動きは機敏且つスムーズでリアルスポーツカーなのだ。バッテリーの制約上サスペンションストロークに余裕はなく硬めのセットアップであるが、これがBMWの味付けなのである。フロントに高さがあって重い塊があるとどれだけハンドリングに支障をきたすのかということが良くわかる。それがi3なのだ。

一方、レンジ・エクステンダー搭載モデルはリアのタイヤが175/60R19という前後幅が違うタイヤを装着していて、外観はこちらの方がカッコがよろしい。重量があるために、タイヤの負担を少なくしロープロファイル化をすることによってスラスト方向の剛性を高め、ハンドリングに寄与している。

結論から言うとレンジ・エクステンダーモデルの方がしっとりと落ち着いた乗り心地である。2気筒のエンジンも振動はできる限り抑えられ、耳を澄ませばわかる程度だ。こちらの方が断然心地よく、しかも安心である。

両方のモデルともに言えることは、素晴らしい加速であるがアクセルで速度をコントロールするような回生ブレーキの仕様により、慣れてくるとブレーキを踏まずに信号機の停止線で止まることもできる。それ程アクセルでコントロールして走らせるという、その辺りもスポーツカーである。確固たる哲学の基に全てのモデルの方向性が定まっているのだ。

久しぶりに新しい乗り物感が充実したモデルに乗ることができた。

スタイリッシュな外観のデザイン。EVモデルのタイヤサイズは155/70R19。直径の大きいタイヤを採用することにより、未来的なスタイルが強調される

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ダッシュボードに配された自然素材のプレートなど、未来的ながらゼロ・エミッションというコンセプトを感じされるインテリアデザイン

ダッシュボードに配された自然素材のプレートなど、未来的ながらゼロ・エミッションというコンセプトを感じされるインテリアデザイン

キドニーグリルなど従来のデザインを踏襲しながらも未来志向といえるデザインがなされている。エッジを最少に抑えた滑らかなフォルムが一体感を与える

キドニーグリルなど従来のデザインを踏襲しながらも未来志向といえるデザインがなされている。エッジを最少に抑えた滑らかなフォルムが一体感を与える

SPECIFICATIONS
グレードi3
駆動方式RR
トランスミッション-
全長×全幅×全高(mm)4010×1775×1550
ホイールベース(mm)2570
車両重量(kg)1260
乗車定員(人)4
動力種類モーター
総排気量(cc)-
最高出力[ps/rpm]170/5200
最大トルク[N・m/rpm]250/100-4800
Tester/松本英雄 Photo/BMW
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