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どんなシチュエーションでも最高級の移動手段となる、ベントレー ベンテイガ(試乗レポート) / navi

(2017/07/30)

▲一目でベントレーとわかるフロントマスク。新たな世代への架け橋として、このベンテイガは誕生した ▲一目でベントレーとわかるフロントマスク。新たな世代への架け橋として、このベンテイガは誕生した

ベントレーの歴史を次世代へと継いだモデル

誰もが知っているオーセンティックな弩級の自動車メーカーの一つが「ベントレー」である。

今さらではあるが、ベントレーの車はドライバーズカーである。ステアリングを握って楽しむことを考えた車作りをしているのだ。なぜか。それはベントレーの成り立ちがモータースポーツで実績を上げたスポーツカーだからである。確固たる性能を操り、性能に振り回されないジェントルマンという印象が強い。

ベントレーの圧倒的な存在感は設立から現在まで変わらない。オンリーワンのフロントマスクはボディタイプが違っていてもベントレーだと理解できる。そしてこの一子相伝のフロントマスクを次世代に継ぐモデルとして登場したのが、今回試乗したベントレー ベンテイガである。

グランドツーリングで真価を発揮するSUV

ベンテイガはベントレーの既存体制を守ってきた弩級の高級車の中で、唯一のSUVとして昨年登場した。この空気を押さえつけて走らせる雰囲気はベントレー一流のスタイルである。そしてスタイルとパフォーマンスの両立を取り持つのは表面的には表さない、恐ろしくポテンシャルの高いパワープラントである。

そのエンジンはW型の12気筒であり、世界でも珍しい形式の一つである。キャパシティは6Lで、しかもツインターボということを考えただけでも未知のパワーが宿っていることが容易に理解できるだろう。出力は600bhp(ブリティッシュホースパワー※)だ。このbhpの方が英国らしい表示で、しかも数字のキレも良い。

非日常的なパワーを持つこのSUVの真価は、いかなる場面で発揮するのかと考えたらやっぱりグランドツーリングしかない。英国であればドーバー海峡をカートレインに車ごと載せてフランスに到着後、コニャック方面にドライブといったところだろうか。妄想をしながら東京と古都を往復するドライブをしたその距離およそ1000kmだ。

※1PS=0.98632bhp

良質な素材と伝統がもたらす最高級の空間

クラフトマンシップが作り上げた内装は触れて優しく目にも優しい。ベンテイガはベントレーの最高級SUVだけあって、華のある仕上げではあるがデコラティブではない。伝統がもたらした高級を肌で感じる雰囲気なのである。内装のデザインがメッキだらけのきらびやかさであると目が疲れる。明るい色を使いすぎるとエレガントだが反射して視認性が低下する。

ベンテイガは華美ではない最高級の素材を使うことで、心が豊かになる素養をも持ち合わせている。シートはストロークがあり、職人が一つ一つ選んで縫製する最高級のレザーは身体をしっとり優しく包み込み落ち着かせる。長距離だと疲れにくいことも何よりだ。

▲最高級の素材をふんだんに使っているものの、決して華美ではなく落ち着く空間となっている内装 ▲最高級の素材をふんだんに使っているものの、決して華美ではなく落ち着く空間となっている内装

W12気筒エンジンがもたらす時を忘れさせるほどの心地よさ

ベンテイガの良い点は車高が高く見切りが良いことと、多少の凹凸があるシチュエーションでも気楽に立ち寄りできる楽しさがある。しかしベンテイガの真骨頂は高速走行である。

今回は東京インターから京都東まで新東名と新名神を走る。この道はフラットなうえに落ち着いた走行が可能な道だ。堂々とした車にはもってこいなのだ。また、大井松田付近のマウンテンセクションは、リラックスして正確無比なハンドリングで穏やかにトレースすればベンテイガは自然についてくる。

緩やかに1500回転程度で走ると本当にエンジンがかかっているのか? と思うほど静粛性は素晴らしい。そこから追い越しのために、チョンとアクセルを踏めば、上品かつ速やかに加速して追い越すことができるのだ。

12気筒はすごみのあるエンジン音など皆無で巨体を軽快に走らせる。クルーズコントロールを併用すれば、あっという間に300Kmを走らせてしまう。スピードよりも心地よさで時間を忘れてしまうのだ。渋滞時はACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)でゆったりと会話を楽しめば良い。アイドリングストップからの立ち上がりは本当にわからないほど精密なコントロールだ。


▲どんなシチュエーションでも最高の瞬間へと変えてしまうベンテイガ。心地よい空間は時間が経つのを忘れさせてしまう ▲どんなシチュエーションでも最高の瞬間へと変えてしまうベンテイガ。心地よい空間は時間が経つのを忘れさせてしまう

ベントレーということももちろんあるが、人に見られるからこそきちんとした心構えと広い心を持てるのではないだろうか。必死になって走ることをしなくても速く到達できる。堂々としたボディサイズでも軽快にドライブできる。シチュエーションを選ばない最高級の移動手段がベンテイガなのだ。ベントレーのSUVの世界観は、どのようなシチュエーションでも最高のおもてなしとパフォーマンスを提供することにあるようだ。

【SPECIFICATIONS】

■グレード:BENTAYGA(2017年モデル) ■乗車定員:5名
■エンジン種類:W12 DOHCターボ ■総排気量:5945cc
■最高出力:447(608)/6000 [ kW(ps)/rpm]
■最大トルク:900(664)/1350-4500 [N・m(lb.ft)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:8AT
■全長×全幅×全高:5150×1995×1755(mm) ■ホイールベース:2995mm
■車両重量:2530kg
■ガソリン種類/容量:ハイオク/85(L)
■車両価格:2739万円(税込)

text/松本英雄
photo/松本英雄、Bentley Motors
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