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メルセデス・ベンツ新型G-Classが脅威のオンロード性能を備えて誕生! デザイン、力強さ、乗り心地……神っている。 / navi

(2018/08/12)


▲豪快に水しぶきをあげる姿が様になる
▲豪快に水しぶきをあげる姿が様になる

新たなGクラスの歴史が始まる

現在でいうGクラス(当時はゲレンデヴァーゲンと言っていた)に乗ったのは30年前だった。山梨県のオフロードコースで性能を試すということで、おまけでついて行ったのである。

前後デフロックを装着してもの凄い走破性だった。当時、ゲレンデヴァーゲンのような市販車は皆無であったので軍用から発展したメルセデスの凄さに驚愕した。

オフロードではデフロックは最強のファクターなのだ。もちろん、Gクラスには現在でもデフロックは装着されている。30年間も性能を変えずに時代を生き抜くことは容易じゃないに違いない。

そして今、骨格からすべてを刷新した新しいGクラスにドライブすることができる。

従来のGクラスが、まさかここまでマッシブな性能になって成長することは誰が考えただろうか。

極限での性能を高めるために鍛え抜いた骨格には、V12気筒ツインターボを装着して600馬力を超えるパワーと時速250㎞を超えるスピードも受け止めた歴史がある。

新たなGクラスはここからまた歴史を積み重ねるのだ。

今回試乗することができるモデルは“G550”とAMG G63の2台である。非現実的なオフロードコースはG550で挑むことになる。


メルセデス・ベンツ Gクラス

初めに乗り込んだのはG550だ。30年前と何ひとつ違わない金庫の扉のようなドアの音に変わりはない。むしろアルミ合金ボディになって音の響きが変わった感じだが、安心感は変わらない。

外観は超キープコンセプトだが、従来よりも洗練されたスリークなスタイルになった。どこが? と思う方もいるかもしれないが決定的に違うのはフロントガラスである。


メルセデス・ベンツ Gクラス

従来のラバーにはめ込み式の平面ウインドウから接着式の曲面ウインドウになった。またリアの造形もエッジが立ったパネルから柔らかなフォルムになった。

とはいえ少し離れた場所から新旧並べても見てもどっちが新しいの? と思うほどキープコンセプトである。

だが、新型のボディから伝わるのは従来にはない高級感。ドアの開け閉めをすれば歴史の成り立ちを感じるが、キャビンに入れば、メルセデスの最新のテクノロジーとデザインの世界へと誘う。

エンジンを始動すると4リッターツインターボV型8気筒が目を覚ます。いかにもハイパワーなV8のサウンドだ。Dレンジに入れてクリープから発進させると力強く動き出す。


▲Gクラスのイメージを覆すオンロード性能!
▲Gクラスのイメージを覆すオンロード性能!

メルセデスはドライバーの要求する車のセッティングを標準の“コンフォート”“エコ”“スポーツ”からチョイスすることができる。さらに細かく自分好みにセッティングが可能な“インディビジュアル”もある。まずは標準的なコンフォートで走らせる。緩やかなオフロードからアスファルトの県道を走る。

従来のGとは比べモノにならないほど静粛性が高い。乗り心地もストロークが増したように路面からの入力を寛容に吸収する。ロールセンターが高かった従来のフロントリジットアクスルに比べてコーナでの安定感が桁違いである。

路面からの突き上げもメルセデスの乗用車に近い。ラダーフレームのモデルでは最も乗り心地が良いのではないかと思うほどだ。

電動アシストのラック&ピニオン式のステアリング機構は電気モーターをラック側に装着した仕様となり、剛性も高く正確なコントロールが可能となる。オンロードでの快適性の向上は従来のGクラス愛好者の方からすると全く別なモデルと感じるだろう。

スムーズにロールする感覚や路面のアンジュレーション(起伏)に対するキャビンへのアプローチは従来のGクラスから比べると懐の深さを感じる。軍用車から発展した乗り心地から乗用車に移行したという印象だろうか。

エコも試してみるが、なんたって422馬力であるからエコといっても十分なパフォーマンスだ。

スポーツも少し試してみよう。軽いワインディングでも車が軽く感じるほど安定感が良い。

NAでいえば6リッターを超える排気量に相当するトルクは凄まじく、スポーツモードであればパフォーマンスを十分に引き出せる。森の中の道では周りの景色が一瞬にして変わる加速である。


▲何事もないかのように走破していく
▲何事もないかのように走破していく

オンロードを堪能したところで本格的なオフロードを試す。本来のポテンシャルの見せどころだ。Gクラスはフルタイム4WDなので、泥濘地の滑りやすい路面に差し掛かったらセンターデフをロックすると走破性が高まる。

それでも前に進むことができなかったら、30年以上前から装着してあるデフロックのスイッチを“ON”にして挑むだけである。


メルセデス・ベンツ Gクラス デフロックスイッチ

Gクラスは、デフロックのスイッチがダッシュボードの中央に配備されている。いざというときではなくいつでもスタンバイOKと言わんばかりの配置が飾りではないことを証明している。

不整地からの干渉を最小限にとどめるように、GクラスにはGモードと呼ばれるオフロードでポテンシャルを発揮するモードがある。その仕様にするために“LOW RANGE”ボタンを押す。これで準備は万端だ。

発進すると、ウルトラローギア化した恩恵でとにかく力強く進む。わずかなアクセル開閉でズンズンとヒルクライムを上って行く。

その後、前後タイヤが軽く浮く地形に差し掛かったときに前に進む力が若干遅くなったように感じた。空転してトラクションがかかりにくい状態になったのだ。まぁこんなものだと思っていたが、なんとセンターデフをロックしない状態で走っていたのだ……。恐ろしい走破性だ。

その後、さらに過酷な岩とタイヤを傾斜した地形で乗り越えるセクションに差し掛かると、さすがに中央に取り付けられたスイッチをONにして究極のポテンシャルを発揮させる。

余裕のあるトルクとしっかりと地に足を捉えた動力性能、しなやかなサスペンションでキャビン内の揺れを最小限にする。ドライバーへのキックバックを抑えた電動パワステのセッティングも安心感を与える。

一歩一歩踏みしめて非現実的な状況でもためらいなく進むGクラスの力強さは守護神のように感じる。勾配25度の下りも障害物を避ける余裕があるほどしっかりと地に足が着いている。前方の見切りもとてもいい。

デザインをここまでキープコンセプトした理由が、オフロードを走ると一層理解できるのだ。


メルセデス・ベンツ Gクラス G63 AMG

最後にもう1台の『Gクラス AMG G63』に試乗した。

エンジンはG550に搭載されるM176型に専用チューニングを施してM177型として搭載されている。出力は6000回転で585馬力を発揮し、トルクは実に86.7kgf・mに達する。スペックを見るだけでも、どこの速度領域からも猛烈な加速が可能なスペックである。

ただG550に比べると出力のレンジは狭くしてピークパワーで勝負したチューニングとなる。カタログのパフォーマンスで想像しながらAMG G63に乗り込む。


メルセデス・ベンツ Gクラス G63 AMG

外観上の違いは明確でAMGだけに付けられるパナメリカーナグリルやホイール、サイドマフラーなどオフロードよりもオンロードのマッシブなパフォーマンスを表現した。

エンジンに火を入れると胸に振動が伝わってくる。レスポンスも軽やかだ。4人同乗してオンロードへと向かう。とにかく車体が軽く感じる。専用のサスペンションは限界性能を高めているようでハードだがシャシーは全く揺るがない。

ここまで本格的なオフロードモデルで安心感ある驚異的な加速をするのは、新型Gクラス AMG G63くらいであろう。非日常的な加速が存在するとはいえ、乗用車のAMGの雰囲気で、ゆったりと走らせる王者の風格である。

text/松本英雄
photo/尾形和美

【SPECIFICATIONS】
■グレード:G550 ■乗車定員:5名
■エンジン種類:DOHC V型8気筒 ツインターボチャージャー
■総排気量:3982㏄
■最高出力:310(422)5250-5500 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:610(62.2)/2000-4750[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:9AT
■全長x全幅x全高:4817 x 1931 x 1969(mm) ■ホイールベース:2890mm
■車両価格:1562万円

■グレード:AMG G63 ■乗車定員:5名
■エンジン種類:DOHC V型8気筒 ツインターボチャージャー
■総排気量:3982㏄
■最高出力:430(585)6000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:850(86.7)/2500-3500[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:4WD ■トランスミッション:9AT
■全長x全幅x全高:4873 x 1984 x 1966(mm) ■ホイールベース:2890mm
■車両価格:2035万円

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