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乗る前から分かっていたが、乗っても最高だった NEW アルピーヌ A110 / navi

(2018/11/18)


▲活動を休止していたアルピーヌが復活! 現代の技術でよみがえったA110に試乗した
▲活動を休止していたアルピーヌが復活! 現代の技術でよみがえったA110に試乗した

とにかく欲しかったNEW A110

アルピーヌが復活すると聞いて、私は試乗することなくオーダーしようと思っていた。

車には、乗って試さないと分からないモデルと、試す前から様子が分かるモデルがある。

今回発売された新しいアルピーヌ A110は後者の方だ。

なぜならば、ルノーのRS系をチューニングしているスタッフが、アルプス国境付近の山岳路でテストにテストを重ねているという噂をすでに聞いていたからだ。

このチームの味付けはどれもこれも絶品で、裏切るモデルはひとつとしていない。(完全に手を入れず名前だけのモデルは除くが……)

フランス エンバシーでの発表会で、このサベルト製シートに腰を沈め、ステアリングを握りしめた瞬間「この車を所有することができたら……!」と想像し、胸が高鳴った。

私は、今までに2000台以上の新車を試乗してきたが、こんな子供のような「とにかく欲しい!」という衝動に駆られたモデルがあっただろうか。

そしてこの衝動のまま、6月に登場したデビュー限定車(プルミエールエディション)の抽選に応募したのだが、残念ながら運は持ち合わせておらず、外れてしまったのだ……。

そんな中迎えた、富士スピードウェイでの試乗会。

まさに子供のような「欲しかったなぁ」という悔しさと、実際に操れる嬉しさが織り交ざった心境で臨んだ。


▲こちらは初代のアルピーヌ A110。1970年代に一世を風靡したライトウェイトスポーツだ(写真は、今年8月に開催されたオートモビルカウンシルでの展示車両)
▲こちらは初代のアルピーヌ A110。1970年代に一世を風靡したライトウェイトスポーツだ(写真は、今年8月に開催されたオートモビルカウンシルでの展示車両)

ショートサーキットで試乗

レクチャーを受け、ヘルメットとグローブを身にまとう。「トラックモード」という、スポーツモードのさらに上を行く“走り重視”の走行モードを選択し、発進した。

ツインクラッチによる7速ATは、ダイレクトでシフトアップにロスがない。

ピットレーンをゆっくりと走り出し、ステアリングレシオを調べながら4割程度の速度で慣熟走行をした。

高回転時のシフトアップは実にスムーズなステップアップ。

エグゾーストノートのハーモニーも、スポーツカーの真髄をドライバーに訴えているようだ。

アルミ合金製のプラットフォームは強固で、捻り剛性は抜群。

カーボンコンポジット材が使われる前のアルミ合金製の板材をリベットと接着で作ったレーシングカーのようである。

このフレームに装着される前後ダブルウィッシュボーンはとてもしなやかで、ドライバーに車の動きを伝えてくれる。

上下に細かく動くダンパーの収束もリニアで素晴らしかった。

まるでワークスクラスのラリーカーのようなセッティングだ。

こんなセッティングができるのは、様々なレースを熟知した専門のアルチザン集団だからだろう。

文句のつけようがない。

2周目からは、本気で走った。

速度を乗せ、降りのストレートから左右へとシケインに高い速度で突入する。

少しラインを内側にとった瞬間、速度が速すぎてリアが慣性による四輪ドリフトになった。

しかし、最小限の舵角でステアリングを修正すると、車は滑らかに“お釣り”もなく、レコードラインに復帰したのだ。

かなりの角度でドリフトになっても、コントロール性は極めて高いということだ。

ミッドシップレイアウトのモデルは、一度滑る取り返しのつかないケースも多いが、アルピーヌA110は、「俺に任せとけ!」とばかりに、忠実に応えてくれるのだ。

初めて乗っても、短時間で自分のモノにできるほど秀逸なセッティングである。

ショートサーキットで、たった3周の走行であったが、まるで自分で育てたセッティングかのように意のままにコントロールできた。


Photo:篠原晃一

Photo:篠原晃一

一般道、ワインディングへ

その後は公道へ出た。

サーキットで言うことはなかったが、快適性が必要になる一般道ではどうか。

編集者を助手席に、富士山周辺の秘密のワインディングへ向かった。

私のお気に入りのコースで、ヨーロッパのアルプスをほうふつさせるようなツイスティカーブがあり、車を試すには最高の場所なのだ。

向かうまでの一般道でも、乗り心地に変わりはなかった。

パッドが薄いバケットシートにも関わらず、腰をしっかりとサポートし、着座位置も低い。

そのため、左右に振れにくく目線も定まる。

フロントノーズが低いので、見切りも良好だ。

路面アンジュレーションの深さも判断しやすい。

ワインディングの上りでは、高回転まで引っ張りながらシフトダウンと左足ブレーキでターンインを確実にし、同乗者に不快にならないよう心がけ操作した。

ブレーキング時のペダル剛性は、ポルシェ以上だ。凄い。

ブレーキとサスペンション性能がシビアに出る下りでも安定性が高かった。

軽くダイブさせ強くブレーキングするとリアが浮くが、不安はない。

山間部は本当に楽しくドライブできた。

一方で、GTのように遠くまで行きたいかと聞かれれば、「うーん……」とも思ってしまう。

アルプスのような山間部で最高のパフォーマンスを発揮させるギアレシオと、それにベストマッチしたエンジンの味付けになっているからだ。

250馬力超えのエンジンに、1110kgという軽量車重。

ゆったりというよりは、すばしっこい部類の車だ。高速道路ではちょっとばかり静粛性に欠けるだろう。

だが、そこはアルプス育ちの車。求める方がお門違いであり、これで良いのだ。


Photo:篠原晃一

Photo:篠原晃一

Photo:篠原晃一

Photo:篠原晃一

Photo:篠原晃一

▲ハンドルは、左右設定あり
▲ハンドルは、左右設定あり text/松本英雄
photo/篠原晃一

【SPECIFICATIONS】
■グレード:A110 ピュア ■乗車定員:2名
■エンジン種類:直列4気筒DOHC16バルブ + ターボ ■総排気量:1798cc
■最高出力:185(252)/6000 [kW(ps)/rpm]
■最大トルク:320(32.6)/2000[N・m(kgf・m)/rpm]
■駆動方式:MR ■トランスミッション:7AT
■全長x全幅x全高:4205 x 1800 x 1250(mm) ■ホイールベース:2420mm
■ガソリン種類/容量:ハイオク/45(L)
■JC08モード燃費:14.1(㎞/L)
■車両価格:790万円~(税込)

アルピーヌ A110のカタログはこちら
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